2012年11月9日 近江町 北形青果 店長からのおススメ
こんにちは。毎日雨から始まっておりますが、明日は久々に晴れ予報が出ている曇り空の金沢です。朝、農業青年の方々が視察に訪れておりました。いつも思うのですが、せっかく相対売りの現場に来ていて、何も聞かずに帰るのはもったいないなぁと。コミュニケーション能力は、きっと栽培技術に活かせるはずですよ
しょっちゅう電話がかかってくる農家さん、彼の作る野菜は東京の名だたるレストランでも引き合いが強い。もちろん味の良さは重要だが、ブランドとまでよばれるには、膨大な実務をこなしながら、仲間の生産者だけでなく、お客様である料理店さん、小売業者とコミュニケーションを図っているからに他ならない
農林水産物や食品の地域ブランド化が叫ばれて久しい。特許庁が地域団体商標制度をスタートさせたのが平成18年。もう6年も経った。地域固有の資源や財産を囲い込むことには一定の効果があったとは思うが、地域ブランドを地域活性化の一つの手段として捉えていた方々には満足いかない状況だろう
ブランドがどの程度浸透しているのか、これを測るには数値化しなければならず、だいたい認知度・理解度・満足度が使われ、一般的なマーケティングの議論になる。もう一歩踏み込んだ考察が必要で、地域に住む、又は訪れる人々の暮らしにどのような影響を与えているのかという点も重要だと思う
認知・理解・満足だけであれば、農産物の場合、知っている・こういう味だよね・美味しかった。これを数値化して、上がった下がったと言ったところでブランド化が図られたとは言えないでしょう。大切なのは、人々の生活にどの程度密接にかかわっているのだろうかを申請者が認知することだね
夏になったら食べたい加賀野菜は?と聞かれて、「金時草の酢の物」や「ヘタ紫ナスのそうめんがけ」と答える方々が一人減るごとにブランド力が落ちているといっても過言ではない。こだわりや愛着、地域が育んできた食文化への愛情と継承する心を育てていくことこそ、今求められているのではないかな
そのうえで、加賀野菜の源助大根という大根。10月20日頃から雪が降るまでの露地物、近年は1月まで欲しいという要望に応えてハウス栽培を行い1月末まで出荷。普通の大根に比べて煮崩れしにくいが、肉質は緻密なため、味がしみ込んでいて、口の中でとろける煮物になります。最盛期を迎えているはずが
地元に出荷される量が増えてきません。そのため、値崩れを起こすことなく、価格も安定しています。安定的な価格で推移することは結構な事です。しかし、今地元で食べないでどうすんだ?と問いたい。地元で食べる人が居なくなれば、次世代に残していく食文化までもなくすことになりますよ。
今日の八百屋さんのおススメ。石川県産の里芋が入荷しています。県内ではたくさんの農家さんが里芋を作ってらっしゃいますが、当店で扱う里芋は一軒だけです。色が白く、火を通すとねっとり、ムチムチっとした食感と旨みを楽しめる最高の里芋です。当店でエビイモが売れないのは、この里芋のせい
石川県産 里芋 100gあたり100円で販売中。里芋としてはかなり高い価格ではありますが、種を守りながら、安定した味を作り出す生産者の技術に対する代価としては安いかもしれません。この地の料理人さんが選んでくれている里芋です
でっかい2Lサイズ 1個 260gあります。。。右にあるのは有名な上庄の里芋の2Lサイズ 1個90gぐらい(笑)